こんにちは、ズボラゲーマーの のたり と申します。
スーパーファミコン(SFC)用ソフト『学校であった怖い話』ゲームプレイ日記の第五回目です。
第一回から第三回までは一周目を、第四回から二周目に突入しています。

今度は最恐と名高い殺人クラブを目指してます。
ということで、語り部の皆さんを下から順番にプレイしておりまして、今回は細田、風間、荒井のエピソードを紹介しつつ、感想を述べたいと思います。
※容赦なくネタバレしますので、NGな方はここでブラウザバックしてください。
なお、プレイにはスクショ撮影・セーブがしやすい【レトロフリーク】を使用しております。
各話あらすじと感想
今回は以下のシナリオのざっくりあらすじと感想をまとめます。
ネタバレNGな方はお気をつけください。
【三人目】細田友晴『絶対トイレに行かない男』

あらすじ
細田が「学校で唯一トイレに行かない先輩」の話を持ち出した。
痩せたその先輩は大食いなのに一度も席を立たない。
家に招かれ、コーヒーの代わりに勧められたのは“サンブラ茶”――虫の体液を煮詰めたエキスで、体内に植物のようなものを根付かせ、不浄物を“食わせる”という代物だった。
先輩の頬の下で緑のものがうごめき、口の中には根が張っていたという。
そんな細田自身も常飲者となり、主人公・坂上(プレイヤー)に同じ茶を勧めてくる。
拒んだ足元で容器が倒れ、這い出た虫に刺された瞬間、細田はにやりと笑った。
飲んではいない――そう自分に言い聞かせても、刺し痕の熱と、鼻に残る青臭さだけがいつまでも消えなかった。

細田くん、もしかしてトイレの話しかレパートリーがないのでしょうか(笑)。
とはいえ、学校のトイレって昔はどこか不気味でしたし、平成初期には「トイレに頻繁に行くのは恥ずかしい」なんて妙な思い込みもあった気がします。
そんな日常的な話題から始めて、いつの間にか「排泄しない先輩」の怪しい逸話へとすり替えていく――人懐っこい口調や「君もそう思うだろ?」といった問いかけで、聞き手を巻き込みながら距離を詰めていくのが細田くんのスタイルです。

さらに中盤では、サンブラ茶の匂いや味といった生々しい描写で、視覚よりも嗅覚や味覚に訴える不快感をじわじわ植え付けてきます。

豪邸や日常の細部を描き込むことでリアリティを積み重ね、最後には“虫”という現物を持ち出して物語と現実を直結させ、強烈な後味を残すのです。
これが生理的にきつい!
人当たりがよくて、平成初期の戦隊モノならイエローっぽいキャラなのに、理屈っぽさと体感的な嫌悪感を組み合わせて追い込んでくる――実は一番性格が悪いのは細田くんなのかもしれません(笑)。

【四人目】風間望『風間のインチキ降霊術』

あらすじ
先輩の風間は、自分は霊媒師だと名乗り出る。
話半分で笑ったのを見咎められ、「霊が怒った」「命が危ない」と脅される。
助かりたいなら従えと命じられ、上履きを頭にのせて回らされる。
必死に言われるまま従うと、最後に「元は君が笑ったから。仕返しだよ」と種明かし。
緊張感は一気に嘲笑へと変わり、後には不快感だけが残った。
風間の語りは、一言でいえば「ハッタリといじり」が武器です。

自分を“霊媒師”と名乗って場を支配し、聞き手が心の中で笑ったことをきっかけに「霊が怒った」「命に関わる」と危機をでっちあげます。

そこから「靴を頭に乗せろ」「回れ」といったバカバカしい儀式を真顔で強要し、従わせていくのです。

実際には怪異らしいものはほとんど出てこないのに、命令に従わされる屈辱や、笑うことすら許されない空気がじわじわと怖さ(?)を生みます。
最後には「仕返しだよ」と種明かししてニヤリ。
怪談の舞台を使った小さないじめのような構造で、怖いというより「この人に逆らったら面倒くさい」と思わせる不快感が残ります。
物語性や世界観で勝負するのではなく、語り手自身のキャラと場のノリで追い込む――風間はそんなタイプの怪談師です。
それにしても、めちゃくちゃ短い!なんだこの話は!(笑)
風間先輩はお気に入りなので楽しみにしていたのに…でもやっぱりこのSっ気、嫌いじゃないです(笑)。
【五人目】荒井昭二『時田君の自主制作映画』

あらすじ
映画好きの荒井が語るのは、同級生・時田の映画研究会で起きた出来事。
時田は自主制作ホラー映画を撮影するが、編集中に撮影した覚えのない残酷なシーンが次々と混じり込み、その直後に役者たちが現実で同じ死に方をしていく。
やがて映像は時田自身の死を映し出し、彼もまたその通りに殺される。
学校に残されていたフィルムはすべて消えたが、荒井の手元には一本だけ残っており、その中では現実と同じ速度で死体が腐敗し、最後には荒井自身の姿と背後から伸びる包帯の手が映っていた。
荒井は二度と再生していないと語るが、そのフィルムは今も手元にある。

荒井先輩の語りは、映画談義や写真の歴史を交えながら「映像には魂を封じ込める力がある」と自然に信じ込ませ、撮影描写の細かさで現実味を積み上げていきます。

派手な見せ場はないものの、恐怖の核心は「撮った覚えのないカットが混じる → その通りに現実で人が死ぬ」という因果の反転。

これを編集作業という地味な工程に紐づけて増幅させます。

観客(聞き手)は“見るだけで加担する”共犯にされ、逃げ道がなくなります。

さらに荒井先輩は自らフィルムを所有している不気味さで物語を現実に接続し、最後に「ラベルのない古いテープがあなたの家にあるかもしれない」と締めることで、聞き手まで巻き込む“講義型”の怪談に仕上げていました。
しかし、映画好きなので途中まで面白かったのですが、とにかく長い!
じっくり読んでいたら30分近くかかりました。
ただ、その“湿度”ある語り口が雰囲気を作っていて、陰気担当としての存在感はしっかりあったと思います。
『学校であった怖い話』2周目中盤三人の怪談を総括
2周目中盤の今回は、細田、風間、荒井という、これまた語り口のタイプがまったく異なる三人のエピソードをプレイしました。
細田の“生理的にイヤなトイレ怪談”で胃もたれしたかと思えば、風間のSっ気たっぷりなハッタリ怪談で振り回され、極めつけに荒井先輩の湿度高めな長編フィルム怪談にじっくりと浸らされる…。
相変わらず、怪談師(じゃないんですけど。笑)ごとの個性が強烈に浮き彫りになってきました。次は新堂誠先輩の六話目と、本作最恐?の『殺人クラブ』です!
この記事ではネタバレ込みで書いていますが、実際にプレイするとSFCならではの音や映像演出によって、また違った怖さや余韻を味わえるはずです。
まだ『学校であった怖い話』SFC版を遊んだことがない方は、ぜひご自身でも体験してみてください!

PS版(完全版)も魅力的ですが、SFC版ならではのザラついた映像やレトロなBGMには、平成ならではの独特な空気感が漂っていて格別ですよ〜。
それにしても、古いゲームなのに今遊んでも十分に面白く(エモく)感じられることに感動し、思わず本作のプロデューサーでシナリオも手がけた飯島多紀哉さんの近作『アパシー 鳴神学園七不思議+危険な転校生』を購入してしまいました(また積みゲー増えた…『晦󠄀-つきこもり』もあるのに…)。
今からレトロゲームがしんどいな〜という方は、こちらをプレイしてみてはいかがでしょうか!

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