こんにちは、ズボラゲーマーの のたり と申します。
スーパーファミコン(SFC)用ソフト『学校であった怖い話』ゲームプレイ日記の第八回目です。
今は三周目で、推しメンの風間先輩にトリを飾っていただきたく進行しております。
前回は、荒井先輩の『校内に巣くう地縛霊』と新堂先輩の『飴玉ばあさん』のあらすじと感想をまとめました。
今回は、福沢玲子(三話目)と岩下明美(四話目)のざっくりあらすじと感想です。
※ということで容赦なくネタバレします。NGな方はここでブラウザバックしてください。
なお、プレイにはスクショ撮影・セーブがしやすい【レトロフリーク】を使用しております。
各話あらすじと感想
ここからは、以下のエピソードのあらすじと感想まとめです。
それでは、以降はネタバレOKな方のみお進みください。
【三人目】福沢玲子『旧校舎の裏に立つ桜の木の呪い』

あらすじ
語り手の福沢玲子は花が好きで、特に桜には“精霊が宿る”と信じているという。
彼女が語るのは、旧校舎の裏にある一本の古い桜にまつわる噂――その木を切ろうとした工事関係者が次々と亡くなり、誰も手をつけられなくなったというものだった。
昔、その桜を「友達」と呼ぶ女生徒がいた。彼女は毎日桜に話しかけ、まるで心を通わせるように過ごしていたが、ある日、人間の男の子から告白され、自分が桜とは違う“人間”であることを痛感する。
卒業を前に桜に別れを告げに行った彼女は、それきり姿を消した。翌朝、根元には彼女の靴だけが残され、桜は不思議と満開だったという。
以来、その桜のそばを通ると、「私はここにいるわ」と女の声が聞こえるそうだ。
福沢は言う――「悪霊というよりも、彼女の強い気持ちが働いて、その桜を説得することができない原因の一つになっているんでしょうね」。だから動かすことができないのだと。

本エピソードの軸は、旧校舎裏の古桜に宿る精霊?の話。
木を伐ろうとした人々が次々に亡くなり、誰も触れられなくなった――という古典的な“御神木の祟り”をベースのようです。
福沢は、話の冒頭で「植物は人間の言葉を聞いている」と軽く脅すような調子を混ぜてくるため、妙なリアリティがあります。
そして、この話の変わっているところは、桜と女生徒の“恋”を描いた部分。

彼女が桜に別れを告げた翌朝、靴だけを残して消えるという展開は、心霊譚というよりも「人と自然の境界が溶ける」悲恋譚としての怖さを持っています。
桜の精霊という神話的モチーフを、現代の学校という現実的な舞台に落とし込むことで、“実話っぽいのに説明できない”不気味さが魅力です。

玲子の語りが終わったあとも、ふと桜の木の下を通るとき――無意識に、声を聞いてしまうかもしれません。
っていうか、このゲームのエピソード、「行方不明」オチが多すぎません?(笑)
一つの学校でそんなに生徒が消えていたら、さすがにニュースになりますよね…。
今後は「行方不明」と「発狂」以外の結末を期待します!
【四人目】岩下明美『赤い傘青い傘』

あらすじ
ある梅雨の日、学校で傘を持たずに雨宿りしていた人気者の塚原君に、控えめな女子・立花ゆかりが赤い傘を差し出した。
それが二人の始まりだった。だが、塚原は彼女を弄ぶだけで、すぐに飽きて捨ててしまう。
それでもゆかりは忘れられず、再び彼が雨宿りしている日に、今度は青い傘を差し出した。塚原は調子良くゆかりにキスをしようとするが拒まれ、暴力を振るう。
彼女は泣きながら紫陽花の咲く花壇の前で雨に打たれ、そのまま姿を消した。
数日後、塚原のロッカーに見覚えのある青い傘が入っていた。
何気なくそれを差して帰る途中、道の向こうに彼女が立っていた。
赤い傘をさし、微笑んで――そして、唇を重ねた瞬間、塚原は逃げられないほどの力で締め上げられる。
次の瞬間、彼の口の中に温かい液体が流し込まれた。
翌日、塚原の体には赤い染みが浮き上がっていたという。
医者にも消せないその痣は、彼女の残した“雨の呪い”だった。

明美先輩の語りは相変わらずの情念系で気持ちがいいですね!
ちょっと挑発的なところもいいですし、割と今でも通用しそう(?)な恋愛観をお持ちで、適度にサバサバしていて、相変わらずの毒舌で、今回特に株が上がりました。

エピソード自体も、季節は梅雨…紫陽花や傘といったモチーフこの湿度がたまりません。


物語の核となるのは、男子生徒・塚原と、彼に恋した少女・立花ゆかりの悲恋。

初めての恋、そして裏切り――彼女は雨の中、青い傘を手に涙を流し、やがて彼に復讐のために現れます。

唇を重ねた瞬間、彼の口に流れ込む“生ぬるい液体”。その後、彼の体に浮かび上がる赤い染み。
明確な殺害ではなく、“体に残る呪い”という形での報いが描かれます。
この得体の知れない“生ぬるい液体”が原因で“感染”したということですよね?
気持ち悪すぎません?
梅雨の、ねっとりと肌にまとわりつく生ぬるさを同時に想起して、鳥肌が立ちました。
そして最後は、明美先輩のひと言で締め!
「女の子を物扱いしてると、後で必ず酷い目に遭うのよ」

さすがでございます。明美先輩が怪異です。
まるで雨音のように静かで、しかし確実に胸に残る恋と呪いの物語でした。
恋と呪いの二重奏。恋バナ怪談でした!

今回の二本は、どちらも「恋バナ怪談」でしたね。
しかも霊そのものより、“消化されなかった想い”の方に焦点が当たっていました。
恋と呪いの二重奏とは、なかなか趣深い組み合わせです。
玲子ちゃんの語りも良かったですが、やはり人の心をいちばん理解しているのは明美パイセン!
年の功を感じます……と言いたいところですが、実際は一年生と三年生なんですよね(笑)。
次回は、トイレ担当の細田くん、そしてお待ちかねの風間先輩。
どんなくだらな…怖い話を聞かせてくれるのか、もう今からワクワクです!
なお、この記事ではネタバレ込みで書いていますが、実際にプレイするとSFCならではの音や映像演出によって、また違った怖さや余韻を味わえるはずです。
まだ『学校であった怖い話』SFC版を遊んだことがない方は、ぜひご自身でも体験してみてください!

PS版(完全版)も魅力的ですが、SFC版ならではのザラついた映像やレトロなBGMには、平成ならではの独特な空気感が漂っていて格別です。
現行機しかお持ちでないという方には、本作のプロデューサーでありシナリオも手がけた飯島多紀哉さんの近作、『アパシー 鳴神学園七不思議+危険な転校生』が遊びやすくておすすめです。
他にも、SwitchやSteamでプレイできる『送り犬』という作品もあります。
皆様もぜひチェックしてみてくださいね!

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