こんにちは、ズボラゲーマーの のたり と申します。
スーパーファミコン(SFC)用ソフト『学校であった怖い話』ゲームプレイ日記の第九回目です。
今は三周目で、私の推しである風間先輩の七話(人)目?を見たい一心で進行しております。
ちなみに前回は、福沢玲子ちゃんの『旧校舎の裏に立つ桜の木の呪い』と岩下明美先輩の『赤い傘青い傘』のあらすじと感想をまとめました。
今回は、トイレの妖精・細田君(五話目)と念願の風間先輩(六話目&七話目)のざっくりあらすじと感想です。
※ということで容赦なくネタバレします。NGな方はここでブラウザバックしてください。
なお、プレイにはスクショ撮影・セーブがしやすい【レトロフリーク】を使用しております。
各話あらすじと感想
今回は、細田(『動物霊の棲む体育館脇のトイレ』)と風間(『風間の怪しい前世占い』)、そして七人目?の『語り部たちの正体』です。
【五人目】細田友晴『動物霊の棲む体育館脇のトイレ』

あらすじ
体育館の脇に、長年使われていない古いトイレがある。
工事で直そうとしても、壊そうとしても、必ず不幸が起こるため誰も触れなくなった。
昔、この学校には生き物を虐待する男子生徒がいたという。
捨て猫を川に流し、金魚や鯉をトイレで切り刻み、流しては笑っていた。
ある日、彼は中庭の池の“主”と呼ばれる錦鯉を捕まえ、体育館裏のトイレで生きたまま鱗を剥いで殺した。
翌朝、彼の手にはその鱗がこびりついていた。
水道で洗うと、水の中から次々と鱗があふれ出し、彼の顔にも体にも鱗が広がっていく。
鏡に映ったのは、エラをパクパクと動かす“魚のような自分”。
彼は声を失い、数日後、首を吊って死んでいるのが見つかったという。
それ以来、あのトイレを壊そうとした者は皆、夢の中で“鱗が生える”悪夢にうなされるらしい。
今でも、あのトイレの床には時おり“魚の鱗”が落ちているという――。

今回の細田くんも、いつも通り“トイレ”絡みではあるのですが、内容は動物虐待系。
怖いというより純粋に“不快”でした(苦手な方はご注意ください。私は完全に苦手です)。
舞台は学校の体育館脇にある「使われていないトイレ」。
そこに“魚の霊”が取り憑いているという、なんとも異質な設定です。
「人間の怨念」ではなく、“生き物への残虐行為の報い”として描かれており、後味の悪さが際立っていました。
それにしても、「学校のトイレ」って、どうしてこんなに不気味なんでしょうね。
小学生の頃を思い出しても、あの空気の重たさは妙に印象に残っています。

今回のエピソードは、特に匂いの描写が強烈でした。
水道から鱗が出てくるシーンも含めて、生臭さが文章から立ち上がってくるような“感覚的な不快感”があります。

ラストは、加害者が魚に変わっていくという“ビジュアルの罰”。
そして、「トイレを壊そうとした者は夢で鱗が生える」という“今も続く呪い”で締めくくられます。
ただ、気になるのは――
加害者は全身を鱗に覆われ、首筋にエラができて魚化したあと自殺するのですが、発見時には“元の姿”だったというくだり。

……魚化してる状態、誰が見たの?(笑)
細田くん、まさかトイレで盗撮でもしてた?(笑)
ちょっとツメが甘い気はしますが、細田回らしい“生理的に嫌な後味”はしっかり残るエピソードでした。
【六人目】風間望『風間の怪しい前世占い』

あらすじ
学校の七不思議を語る集まりも、いよいよ最後。
けれど七人目の語り手は現れず、代わりに軽薄な笑みを浮かべた三年生・風間が口を開いた。
「六不思議で諦めろよ。最後に僕が“とっておき”の話をしてやるからな」
風間は“守護霊”が見えると言い出し、さらに坂上の“前世占い”を始めると言う。
用意してきたのは――生きたイボガエル。
催眠をかけ、イボガエル様を降ろす儀式を始める風間。
「イボガエル様、いらしてください……」
それを前にした坂上が言葉を失う間にも、風間は一人で質問と回答を繰り返す。
「君の運勢は悪いね」「前世は素晴らしかったらしいよ」
――イボガエル様は、まるでこっくりさんだった。
そして次の瞬間、風間は坂上の手を握り、指で“¥”の形を作る。
「出すものを出せば、もっと詳しく占ってあげるよ」
坂上が拒むと、風間は笑いながらイボガエルをつかみ、握りつぶした。
ブチッという音とともに、赤黒い液体が飛び散る。
「道具は占いのあと、処分する決まりなんだ」
腐ったような臭気が漂い、部屋の空気が一変する。
窓を開ける坂上に、風間は穏やかに言った。
「君が呪われることはない。僕が守ってあげるから。だって僕が――君の守護霊様だからね」
「この人ちょっと危ないぞ」ーーと坂上が不安に思っていると、風間は突然腹を抱えて笑い出す。
「冗談だよ。あのカエルはおもちゃさ。中身は(腐った)トマトジュースだ」
笑いながら血のような液体を拭う彼の姿を見て、坂上は悲しい気分になりながら、怒りを抑えていた。

さすがの風間先輩も、トリを飾るならそこそこ怖い話をしてくれるのでは……と期待していたのですが、やっぱり風間先輩は風間先輩でした(笑)。
怖い話をしているようでいて、実際には“怪談という仕組み”そのものを弄んでいる構造が面白いんですよね。

そして始まるのは“前世占い”。
イボガエルを使い、神(?)を降ろすという、あまりにも怪しげな儀式。

でも、細部の描写が妙にリアルなんです。
カエルのぬめり、握りつぶしたときの音、漂う腐臭……。
この“感覚的な嫌悪”を利用して、しっかり怖がらせてくる。
恐怖の中心は幽霊ではなく、人間そのもの。
風間先輩はルールを勝手に作り、金を要求し、命を弄ぶふりをしながら笑う。
そして「守護霊」という“守りの存在”をネタにして、人の倫理を逆手に取る姿がゾッとします。

最後に「冗談だよ。カエルはおもちゃさ。中身は(腐った)トマトジュースだ」と明かされるのですが、そこでホッとする一方で、妙に不快な余韻が残る。
なぜなら、“本当の狂気”は霊ではなく、笑いながら一線を越える人間だから。
風間先輩の話は、恐怖そのものよりも「人間の心理」をえぐるタイプの怪談。
まるで『世にも奇妙な物語』や『笑ゥせぇるすまん』のような、皮肉と悪趣味が同居した後味を残します。
この話は、七不思議という枠を壊しながら、“怪談という遊び”を極限までメタ化したエピソード。
つまり――怖いのは幽霊ではなく、怪談を笑いながら語る人間そのものなのです。
(やっぱり風間先輩好きだ!)
【七人目?】語り部たちの正体

あらすじ
「学校の七不思議を語る会」を開いた夜のこと。
僕を含めて七人が集まるはずが、結局一人だけ来なかった。
最後に話した風間さんは、どうにも冗談めかしていて、怖いというより落語みたいな話をしていた。
みんな白けて、そのままお開きになった――はずだった。
後片付けをしていると、ドアがノックされる音。
入ってきたのは、この会を企画した日野先輩だった。
「どうしたんですか? もう終わりました」と伝えると、先輩はきょとんとした顔で言った。
「お前、何言ってるんだ? 七不思議の会合は明日だろ?」
思わず振り返ると、そこには誰もいなかった。
さっきまで一緒にいたはずの仲間たちが、一人残らず消えていた。
出口は一つしかない。足音も聞こえなかった。
呆然とする僕の頭の中に、声が響いた。
──「だから言っただろ。俺たちはお前の守護霊様だってさ」

七人目のエピソードは、直前まで風間先輩の冗談で和んでいた?空気が、一転して奈落へ突き落とされる構成が見事で、笑いと恐怖の落差が際立っています。
日野先輩の「会合は明日だろ?」という一言で、それまでの現実が一瞬で崩れ去り、語り手自身が怪談の中へ取り込まれていく――この感覚がたまりません。

消えた語り部たちは本当に守護霊だったのか…安心よりも不気味さが残ります。

七不思議の「七人目不在」という欠落を呪いに変え、物語を“明日”へと持ち越す構造。
ゲームを終えても終わらないこの後味の悪さこそ、この最終話の真髄だと感じました。
風間先輩は“怖い話”より本人自体がやばくてステキ
今回のプレイでは、細田くんの“生理的に嫌な怖さ”、風間先輩の“人間的な怖さ”、そして七人目の“メタな恐怖”が一気に押し寄せました。
中でも風間先輩の話は、怪談という枠を壊しながらも、なんだかんだでちゃんとゾッとさせてくる構成が巧み。
語り口は落語のように軽妙なのに、オチはしっかり冷たい――そのギャップが最高です(笑)。
“守護霊”という言葉の裏に潜む支配、“笑い”の直後に訪れる沈黙。
怖いのは霊ではなく、笑いながら人の心を踏み荒らす人間そのもの。
そんな風間先輩らしい歪んだ魅力が、最終話で一気に爆発した印象でした。
これで一応、三周目は完走。
次はトイレ担当・細田くんの最終話を見るのを目標に、四周目を進めたいと思います!
なお、この記事ではネタバレ込みで書いていますが、実際にプレイするとSFCならではの音や映像演出によって、また違った怖さや余韻を味わえるはずです。
まだ『学校であった怖い話』SFC版を遊んだことがない方は、ぜひご自身でも体験してみてください!

PS版(完全版)も魅力的ですが、SFC版ならではのザラついた映像やレトロなBGMには、平成ならではの独特な空気感が漂っていて格別です。
現行機しかお持ちでないという方には、本作のプロデューサーでありシナリオも手がけた飯島多紀哉さんの近作、『アパシー 鳴神学園七不思議+危険な転校生』が遊びやすくておすすめです。
他にも、SwitchやSteamでプレイできる『送り犬』という作品もあります。
皆様もぜひチェックしてみてくださいね!

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