こんにちは、ズボラゲーマーの のたり と申します。
スーパーファミコン(SFC)用ソフト『学校であった怖い話』ゲームプレイ日記の第十二回目です。
現在四周目で、前回は岩下明美(三話目)と福沢玲子(四話目)のあらすじと感想をまとめました。
今回は、新堂誠(五話目『ギャンブルトランプ』)と細田友晴(六話目『取り残された旧校舎の補習授業』)、そして七話目『旧校舎の壁に隠された秘密』のざっくりあらすじと感想をまとめたいと思います
※容赦なくネタバレします。NGな方はここでブラウザバックしてください。
なお、プレイにはスクショ撮影・セーブがしやすい【レトロフリーク】を使用しております。
各話あらすじと感想
ここからは、以下のエピソードのあらすじと感想まとめです。
ネタバレOKな方のみお進みください。
【五人目】新堂誠『ギャンブルトランプ』

あらすじ
新道誠が持ち出したのは、同級生・大倉和雄の“トランプ”にまつわる話だ。
大倉は校内でトイチの高利貸しや万引き品の横流し、八百長ケンカの賭けまで仕切る札付きだが、勝負運だけはからっきし——だったはずが、ある日を境に別人のように強くなる。
理由は、裏面に“半分が青白い女、半分が髑髏”という不気味な絵が刷られ、ジョーカーには骸骨の眼窩に黒い蛇が絡むという謎のトランプ一組。
どんな配りでもジョーカーは必ず大倉の手に入り、賭場は連戦連勝。
誰もイカサマを見破れず、やがて相手がいなくなる。
以来、大倉は学校に来ず、家でもベッド一面にカードを敷き詰め、その上で恍惚と眠るだけの生活に。
ある日のこと、親戚に不幸があり家族が二晩留守にしたのち戻ると、部屋から“カサカサ”という音。
扉を開けると、ベッドの上には白骨化した大倉、そして骨の隙間を無数に走り回る“カードの女”たち——ピンポン玉ほどの頭、足元にはびっしりの触手、小さな歯で肉片をかじる群れだった。
悲鳴に一斉に振り向いた女たちは、潮が引くように窓から闇へ消え、あとには真っ白に抜け殻となったカードだけが残る。
新道は締めくくる——今、あの女たちはどこに潜んでいるのか、と。
今回のエピソードは、呪物と都市伝説が合わさったような怪談でした。

物語の中心にあるのは“ジョーカー入りの不気味なトランプ”。

確率が壊れたように必ず大倉の手にジョーカーが来る──その異常が積み重なり、最後にカードの女が実体化して襲いかかる展開は強烈です。

また、学校裏社会・高利貸し・ギャンブルといった生臭い設定(あり得なさすぎてありそう。笑)を前段に置くことで、「罰としての怪異」が自然に受け入れられてしまう構造もうまいです。
家にまで怪異が越境し、跡形もなく消えるラストは、“今もどこかにいるかもしれない”という余韻が残って印象的でした。

新堂先輩の語りにしては今回はややあっさりめでしたが、スチルの不気味さが物語をしっかり支えていたと思います。
【六人目】細田友晴『取り残された旧校舎の補習授業』

あらすじ
細田友治に案内され、一同は旧校舎へ向かう。
目的は、この校舎に棲むと噂される“花子さん”の検証だ。
そこで細田は、かつて起きた失踪事件を語り始める。
補習に残った男女六人が夜更けまで教室に取り残され、壁時計は“10時20分”で止まったまま。
時計の裏には骸骨めいた染み。
やがて一人がトイレへ、続いて迎えに出たもう一人も戻らない。
残り四人のうち三人は職員室へ向かう途中、悲鳴とともに何か黒く小さな塊に引きずられていく——。
最後の一人の生徒は、廊下に太く続く血の跡を追い、三階女子トイレへ。
個室を順に開けるが空。
最後に“花子さん”のいると噂の二番目の個室を開けた瞬間、天井から冷たい滴。
見上げると、五寸釘で打ちつけられた五人の級友。
その身体に血まみれのセーラー服、おかっぱ頭、白い能面の女がしがみつき、こちらを睨む——次の瞬間、女は天井から滑るように襲いかかる。
しかし翌日、遺体も血痕も跡形もなく消え、事件は闇に葬られた。
それ以来「10時20分の時計」と「三階女子トイレの花子さん」が噂として残ったのだ——細田は語り終え、「今から確かめに行こう」と微笑む。
その瞬間、白い閃光が場を切り裂いた。
このエピソードは、王道の“学校の怪談”ですね!

トイレ担当の細田君が、ラストに満を持して花子さんを持ってきたというのがまず嬉しいポイント。
流れとしては、旧校舎へ舞台を移し、花子さんのルール(ノック・個室の位置・見られた者の末路)を先に提示。

そのあと過去の失踪事件を語り、「いま自分たちで検証してみよう」と読者=聞き手を巻き込む構成です。

10時20分の時計や無人トイレの灯りといった“小さな怪異”を積み重ね、儀式が本物になっていく感覚を盛り上げるのが上手い。

目撃者ゼロの出来事なので真偽は不明のままですが、謎のホワイトアウトから七人目?につなげる演出も憎いです!

平成ホラーらしい“じわ怖”が味わえる、細田編の中でも美味しい一話だと思います。
【七人目?】『旧校舎の壁に隠された秘密』

あらすじ
旧校舎で“花子さん”を確かめに来た主人公たちの前に、宿直の黒木先生が懐中電灯を手に現れた。
叱られはしたが、先生は「もっと恐ろしい旧校舎の話」を案内役として語り始める。
薄暗い廊下の一角だけ壁の色が違う――そこは戦時中、教室が臨時の死体置き場になっていた場所で、妹を失った少年が遺体に寄り添い、ついには自ら胸を刺して“血を分けた”という。
以来、その壁越しに夜になるほど大きくなる呻き声が聞こえると噂された。
先生は「今ならはっきり聞こえるかもしれない」と僕らに壁へ耳を当てさせる。
何も聞こえない――そう思った瞬間、先生の背後の壁がゴムのように膨らみ“腕”になって頭を掴み、先生の顔を無音のまま壁の中へ吸い込んだ。
必死に引くもびくともしない。かすかに「お兄ちゃん」と女の子の声。
僕は懐中電灯で壁を叩き、「兄さんはもういない、先生を連れて行くな」と叫ぶ。
壁に亀裂が走り、崩れ落ちた奥から、長く封じられていた死体置き場の扉が現れる。
解き放たれた先生の首には半透明の少女がしがみついていた。
扉が開き、痩せた少年の姿。
少女は「お兄ちゃん」と呟いて先生から離れ、少年のもとへ走る。
二人は手を取り合い、闇に溶けるように消えた。
安堵したのも束の間、床に倒れた黒木先生の脈はなく、顔は紙のように白い。
救えなかった――。
暗闇の中、甲高い笑い声だけが旧校舎に満ちる。
夜は、まだ終わっていなかった。

細田編ラストのエピソードは、“検証系の学校怪談”と見せかけて、戦争由来の口承怪談へ一気に反転する二段構えが印象的でした。
花子さんの検証に向かったはずが、宿直教師の登場によってプレイヤーは一度「安心」を与えられます。

しかし、そこから旧校舎の“戦時中の死体置き場”へと物語が転じることで、一気に深い恐怖へと引きずり込まれる構成が見事です。

さらに兄妹霊の“再会”という救いを一瞬見せてから教師が死ぬ結末によって、救済と代償が同時に成立する後味の悪さが残るのもポイント。

平成ホラーらしい“戦争の影”が色濃くにじむ回でもありました。
また学校怪談は、噂の裏に別の事件や歴史が潜み、掘るほど物語が深くなっていくジャンルです。

今回、あえて“花子さん”をフェイントに使い、より深い層の怨念へ接続した展開は、学校怪談がそうした“底のない世界”であることを象徴していたと感じます。
ただの花子さんじゃなかった!噂の先に別の恐怖が待つ学校怪談の奥深さ

今回の3本は、同じ学校が舞台なのに、恐怖の見せ方がまったく違うのが面白い回でした。
呪物が暴走する新堂編、噂の“検証”を通してゾワッとさせる細田編、そして戦争の影へ一気に沈めてくる口承怪談。
恐怖の段階が一段ずつ深くなっていく構成に、改めてシリーズの懐の深さを感じました。
特に細田編ラストは「噂の裏にさらに闇がある」という学校怪談らしさの極み。
平成初期ホラー特有のじわっと残る余韻が好きな方にはたまらない三本だったと思います。
とはいえ、花子さんの話はもっとがっつり聞きたかった…!(笑)
平成ホラーな花子さんといえば、個人的には堤幸彦監督(『ケイゾク』『TRICK』)の映画『新生 トイレの花子さん』がイチオシです。
2025年公開の映画『ドールハウス』がツボにハマった人も気にいるかも。
DVDは現在プレミア化していますが、視聴手段はまだあるので(“あなたの管”とか)、花子さん好きの方はぜひチェックしてみてください。
次回は五周目に入りまして、細田友晴の一話目と風間望の二話目のあらすじ&解説をまとめます。
なお、この記事ではネタバレ込みで書いていますが、実際にプレイするとSFCならではの音や映像演出によって、また違った怖さや余韻を味わえるはずです。
まだ『学校であった怖い話』SFC版を遊んだことがない方は、ぜひご自身でも体験してみてください!

PS版(完全版)も魅力的ですが、SFC版ならではのザラついた映像やレトロなBGMには、平成ならではの独特な空気感が漂っていて格別です。
現行機しかお持ちでないという方には、本作のプロデューサーでありシナリオも手がけた飯島多紀哉さんの近作、『アパシー 鳴神学園七不思議+危険な転校生』が遊びやすくておすすめです。
他にも、SwitchやSteamでプレイできる『送り犬』という作品もあります。
皆様もぜひチェックしてみてくださいね!

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