こんにちは、ズボラゲーマーの のたり と申します。
スーパーファミコン(SFC)用ソフト『学校であった怖い話』ゲームプレイ日記の第十七回目です。
前回は、岩下明美(一話目『白い吐息』)と細田友晴(二話目『贈り物』)のあらすじと感想をまとめました。
今回は、新堂誠(三話目『ドッペルゲンガー』)と福沢玲子(四話目『十三段だ』『ルビーの指輪の拘束』)のざっくりあらすじと感想をまとめます。
※容赦なくネタバレします。NGな方はここでブラウザバックしてください。
なお、プレイにはスクショ撮影・セーブがしやすい【レトロフリーク】を使用しております。
各話あらすじと感想
ここからは、以下のエピソードのあらすじと感想まとめです。
今回初めて、選択肢でエピソードが変わるということを知りました(汗)。
ネタバレOKな方のみお進みください。
【三人目】新堂誠『ドッペルゲンガー』

あらすじ
新堂誠が語るのは、バスケ部にまつわる“呪われたノート”の話。
かつてキャプテンだった田所は、陸上部のエース・川口を無理やり勧誘しようとして部内で孤立。
キャプテンを解任され、誰にも理解されない情熱だけを抱えたまま、部室を去る前に古い汚れたノートを見つける。
そこには、かつてのバスケ部員が書いた練習記録と、次第に狂気じみた恨みの言葉。
そして最後に「夜中の2時に体育館で助けが欲しいと叫んでくれ」という一文があった。
田所はその通りに体育館で叫び、現れた“声”と毎晩のように語り合うようになる。
しかしある晩、「助けてやる」と囁かれ、目を開けた瞬間、そこに立っていたのは朽ち果てた“自分自身”だった。
翌朝、田所は体育館で変わり果てた姿で発見される。
噂によれば、あのノートは今もどこかにあり、“二冊目”も存在するという……。

スポーツ(バスケ)への情熱が狂気へと変わる瞬間を描いたエピソードでした。
私はスポーツとは縁遠い人生でしたが、「一人で熱くなって、周囲との足並みが揃わなくなって、逆恨みして自爆……」という展開には、なんとなく身に覚えがあり、プレイ中は苦虫を噛み潰したような顔になりました。

物語の鍵は、田所が見つけた一冊の「汚れたノート」。
そこに書かれた“夜中2時に体育館で助けを求めろ”という言葉に導かれ、田所は“先輩の霊”を呼び出してしまいます。
やがて彼はその存在に心酔し、「助けてほしい」と懇願。

すると現れたのは、朽ち果てた“自分自身”もといドッペルゲンガーでした。
ドッペルゲンガーとは「自分とそっくりな姿をしたもう一人の自分」で、“それを見た者は死が近い”とされる存在。
本作の場合、霊が見せたただの幻影にも思えますが、ノートが二冊に増える描写を思うと、“次の犠牲者を誘う呪い”にも読めます。
スポーツ根性と怪異譚が交錯する青春ホラーでした。
ところで、最後に新堂先輩が坂上の兄(?)について話し始めたのは、何かのフラグなのでしょうか???

【四人目-A】福沢玲子『十三段だ』

あらすじ
旧校舎の“13階段”にまつわる噂を確かめようと、福沢玲子は友人の早苗、洋子と一緒に夜の学校へ忍び込む。
13日の金曜日だけ階段が一段減るという怪談を再現するため、日めくりカレンダーを“13日”に合わせ、上りと下りの段数を数えることに。
最初は14段あったはずの階段が、下りる途中で突然13段になり、洋子が転倒して気を失ってしまう。
目を覚ました彼女は「13段しかなかった」と怯え、何かに取り憑かれたように錯乱。
帰ろうとした洋子の足元には、赤ん坊のようなものが無数にしがみついていた。
ようやく三人は旧校舎を逃げ出したものの、洋子の足には小さな手形がびっしり。
以来、彼女は突然「オギャー」と泣き出したり、授業中に赤子をあやす仕草を見せたりするようになったという。

旧校舎の十三階段にまつわる噂を、日めくりカレンダーを「13日」に合わせて掲示するという裏技で検証して、本当に怪異が起きるというぶっ飛び展開が平成っぽいと感じるのは私だけでしょうか。

現れた怪異は赤子(おそらく水子)の大群。
泣き声のSEも相まって、非常に不気味です。

とはいえ、なぜ学校の階段に水子霊が集まるのでしょう!
その核心には一切触れられず、洋子が赤子に取り憑かれたまま物語は幕を閉じます。
けれど、この話で怖いのはその後。

語りの最中に、主人公がバカに?したような態度の選択肢を選んだことを玲子に恨まれ、
「今度陽子ちゃんに頼んで、赤ちゃんを1人分けてもらってあげるよ。それでそっと坂上君の部屋の中にいれて置いてあげる。そうね、ベッドの中がいいわね。夜寝ようと思ってベッドに入ると、その中に小さな赤ん坊がいるの。それであなたの足にしがみつくの、うふふ。女の子の恨みを買うと怖いんだから。坂上君寝るのが楽しみね。近いうちに必ず実現するからね」
と、言われてしまいました……。
岩下先輩ならともかく玲子ちゃんもそんなこと言うの!?と、度肝を抜かれたエピソードでした。
【四人目-B】福沢玲子『ルビーの指輪の拘束』

あらすじ
数年前、彼氏・小倉から赤いルビーの指輪を贈られた石川さよ子という生徒がいた。
小倉は病で亡くなる間際に「この先、何があっても僕の気持ちは変わらない」と告げ、彼女は指輪を形見として身につけ続ける。
ところが彼女に執心していた理科の深山先生が校則を口実に指輪を没収。
返却を求めて通い詰めるうち、二人は想い合うようになり一時的に駆け落ちする。
すると先生のポケットに入った指輪から“血の涙”がにじみ、先生は恐怖して彼女から逃げ、指輪は返された。
以後、指輪は彼女の指に吸い付いたように外れなくなる。
新しい男性に言い寄られた折、外そうとした瞬間にも血の涙が流れた。
だが、彼女が「亡き彼だけを思って生きる」と決めた途端、赤は透明に変わり、石はルビーからホワイトサファイアへ。
指輪はするりと抜け落ちたという。
“鳩の血”と呼ばれるルビーの赤は、誓いと執着の色。
変わらぬ愛を誓った死者の想いが、血の涙というかたちで彼女を縛り、約束を選んだ瞬間に束縛を解いた。
だが、心変わりをすれば再び何が起こるかはわからない……。

福沢玲子の四話目は十三階段の話から始まったのに、「あなた、旧校舎に行ったことある?」との問いに「ない」と答えたら、
「あっそう、ないの?ふーん。それじゃあ私がいくら旧校舎の話をしたって臨場感がわかないよね。やめたっと。違う話をするわ」
と言い出してびっくり!
選んだ選択肢によってエピソードが分岐することがあるんですね……もう三十話以上見てきましたが、ここまであからさまなのは初めてです。
何が起きたのかわからなくて、今までで一番ドキドキしました(笑)。

今回のエピソードは「ルビーの指輪」が鍵となる悲恋系の怪談。

亡くなった恋人から贈られた指輪を巡って、彼の魂(想い)が“血の涙”という形で現れる、愛の延長線上にある恐怖を描いています。
物語の核は、「死してなお変わらぬ愛」と「生者の心変わり」です。
彼女が新たな男性に心を傾けた瞬間、指輪が血の涙を流すって、重い、重すぎる。

けれど、彼女が「一生彼を思って生きていこう」と誓ったことで、赤いルビーは透明なホワイトサファイア(純粋な魂の象徴)に変化します。
束縛から解放されて、めでたしめでたし――と思いきや、移り気な彼女のこと。
また誰かに惹かれたとき、あの指輪(亡き恋人)はどうするのだろう……という、すっきりしない終わり方が妙に印象に残りました。
「恋愛=支配」という皮肉が、“指輪”というモチーフと重なっていて、余韻の深いエピソードでした。
まとめ:まさかのエピソード分岐で動揺が隠せません…!

十三階段のエピソードはさておき、『バスケ部の秘密のノート』も『ルビーの指輪の拘束』も、「情熱が行きすぎて呪いへと変わる」という教訓めいた物語でした。
単なる怪談的な怖さだけでなく、人の“行き過ぎた想い”が引き起こす怖さを丁寧に描いているのが、本作の魅力だと改めて感じます。
それよりも今回、選択肢によってエピソードが分岐するという体験を初めてして、「もしかしてこれまでにも同じような分岐があったのでは!?」と焦ってしまいました。
攻略情報をほとんど見ずにプレイしているので、気づかずにスルーしていた可能性もありそうです。
いずれ隠しシナリオを解放するときに、これまで選ばなかった選択肢を選んで再プレイしてみようと思います。
次回は風間望の五話目と荒井昭二の六話目、そして第七話のあらすじ&解説をまとめます。
なお、この記事ではネタバレ満載ですが、実際に自分でプレイするとSFCならではの音や映像演出によって、また違った怖さや余韻を味わえるはずです。
まだ『学校であった怖い話』SFC版を遊んだことがない方は、ぜひご自身でも体験してみてください!

PS版(完全版)も魅力的ですが、SFC版ならではのザラついた映像やレトロなBGMには、平成ならではの独特な空気感が漂っていて格別です。
現行機しかお持ちでないという方には、本作のプロデューサーでありシナリオも手がけた飯島多紀哉さんの近作、『アパシー 鳴神学園七不思議+危険な転校生』が遊びやすくておすすめです。
他にも、SwitchやSteamでプレイできる『送り犬』という作品もあります。
ぜひチェックしてみてくださいね!
↓『学校であった怖い話』ゲームプレイ日記の他記事はこちらにまとめています!↓

のコピー-13-320x180.png)
のコピー-15-320x180.png)

のコピー-13-120x68.png)
のコピー-15-120x68.png)