こんにちは、ズボラゲーマーの のたり と申します。
スーパーファミコン(SFC)用ソフト『学校であった怖い話』ゲームプレイ日記の第十四回目です。
前回は、細田友晴(一話目『受験生中野君との別れ』)と風間望(二話目『ひとり七不思議』)のあらすじと感想をまとめました。
今回は、荒井昭二(三話目)『飛び降り自殺の人体実験:相沢の霊』と新堂誠(四話目)『ボクシング部の地獄の合宿:赤坂の霊』のざっくりあらすじと感想をまとめます。
※容赦なくネタバレします。NGな方はここでブラウザバックしてください。
(そして今回は少しグロいかも)
なお、プレイにはスクショ撮影・セーブがしやすい【レトロフリーク】を使用しております。
各話あらすじと感想
ここからは、以下のエピソードのあらすじと感想まとめです。
ネタバレOKな方のみお進みください。
【三人目】荒井昭二『飛び降り自殺の人体実験:相沢の霊』

選択肢
2 → 1 → 1
あらすじ
語り手は2年B組の荒井正司。
彼は過去に二度、飛び降りの現場に遭遇した経験を持つ。
ひとつは“落ちた後”で、肉片が飛び散り原形を留めない姿。
もうひとつは三階のビルから女性が飛び降りた瞬間で、骨が突き出し、うめき声をあげながら倒れていたという。
そこから荒井は「人は高いところから落ちたら、必ず死ぬのか」という疑問に取り憑かれた生徒・相沢信彦の話を始める。
相沢は「落下したらどうなるか」を細かくノートにつけ、ついに自ら実験する決意をし、学校の屋上から飛び降り死亡した。
以来、相沢はその結果に満足できず、今もなお“自分の出した答えが正しいのか”確かめようとして人を誘っているのだと言う。
高所から下を見ると吸い込まれるように感じるのは、地の底の死者が招くためであり、この学校でも実際に相沢に誘われて飛び降りた生徒がいるらしい。
さらに、想いの強い死者は覗き込む人を後ろから突き落とすこともあると荒井は警告する。

荒井君のエピソードはいつもあっさりめだと思って油断していたら、超写実的でゾクっとする話が来て驚きました(良い意味で)。
まず、飛び降り現場の描写が生々しい!
血の色、骨が突き出した足、うめき声、落下音の比喩…。
実際に自分が目撃したかのように情景が浮かびます。

さらに、「絶対にできないことほど、やってみたい気持ちが生まれる」という心理の説明も納得度が高く、その流れで相沢が“屋上から落ちると死ぬのか”を確かめてしまう展開に説得力が生まれています。

そんな相沢は、屋上から落ちても人は死なないという答えが欲しかったのではないか、とは荒井君の談。

そして、屋上から下を見ると気持ちがいい理由は、「死者が(飛び降りるのを)誘っているから」というオチもいいです。
一見突拍子もない話に見えて、意外に筋が通っているというか、なぜか相沢(死者)の誘いに乗ってみたくなるような、不思議な浮遊感が残る話でした。
個人的に、本作の中でも上位に入るお気に入りエピソードです。
↓別選択肢のルート(ストーリー)はこちらで紹介しています。↓
【四人目】新堂誠『ボクシング部の地獄の合宿:赤坂の霊』

選択肢
3 → 1 → 2 → 1 → 1 → 2
あらすじ
かつてこの学校のボクシング部は全国常連の強豪だった。
秘密は“地獄の合宿”と呼ばれる山籠り。
早朝から雑務と走り込み、腕立て数百回。
そして一年生は先輩10人と30ラウンドのスパーリング。
多くが逃げ、最後に残るのは数名だけという苛烈さだった。
15年前、その合宿に赤坂という小柄な一年がいた。
弱そうな見た目に反し、退部の誘いを拒み続けたため、仲間に密告を疑われ、夕食準備中にリンチを受けて死んだ。
先輩に知られることを恐れた彼らは、夜中に死体を山に埋めた。
翌年、主犯の畑中は恐怖を押し殺して同じ合宿に参加した。
だがある日、血で濡れたような古いグローブを見つけ、埋めた場所へ向かった。
そこには白いロープで描かれた“人型”があり、背後から声が囁いた。
「そのロープはこれから死ぬ人のための印だよ」
畑中は錯乱し、自分の拳で自分を殴り続け、翌朝、人型の中で死体となって発見された。
口には血のように赤いグローブが詰まっていた。
それ以来、ボクシング部は廃れたままである。

今回の新堂先輩のエピソードは、「伝統だから」という大義名分のもとで続いていたボクシング部のしごきが、実はただの暴力といじめで、それがやがて霊的な報いへ変わる話でした。

前半は生々しいリンチと死体の隠蔽という“現実の地獄”。

後半は“努力と根性”という美徳が呪いに転じて、昭和的体育会ノスタルジーの薄皮が剥がれていきます。
しかし、私は体育会系のノリとは無縁の人生でしたので、うまく感情移入ができず。
どういう思考回路をしていればこんなことができるのでしょう…?

とにかく、最後は因果応報ということで、ヒトコワ系からのスカッとジャパンな話でした。
おそろしいのは幽霊じゃなくて人の業だと改めて思う

今回プレイした2つのエピソードは、いずれも霊より「人間の怖さ」が際立っていました。
荒井君の話は飛び降り現場の描写がとにかく生々しく、背中がゾワっとします。
「やってはいけないことほど試したくなる」という心理が効いていて、怖いのに妙に興味を引かれる、不思議な後味の話でした。
一方、新堂先輩の話は、昔ながらの体育会ノリがそのまま悲劇に直行するタイプ。
努力や根性が美化される空気と、その裏にある暴力の怖さが印象的でした。
最後はきっちりバチが当たるので、怪談というよりブラックな青春譚にも見えます。
どちらも、陰湿さと懐かしい学校の空気が混ざり合う“ニンゲン怖い”系怪談でした。
次回は福沢玲子の五話目と岩下明美の六話目、そして七人目のあらすじ&解説をまとめます。
なお、この記事ではネタバレ込みで書いていますが、実際にプレイするとSFCならではの音や映像演出によって、また違った怖さや余韻を味わえるはずです。
まだ『学校であった怖い話』SFC版を遊んだことがない方は、ぜひご自身でも体験してみてください!

PS版(完全版)も魅力的ですが、SFC版ならではのザラついた映像やレトロなBGMには、平成ならではの独特な空気感が漂っていて格別です。
現行機しかお持ちでないという方には、本作のプロデューサーでありシナリオも手がけた飯島多紀哉さんの近作、『アパシー 鳴神学園七不思議+危険な転校生』が遊びやすくておすすめです。
他にも、SwitchやSteamでプレイできる『送り犬』という作品もあります。
皆様もぜひチェックしてみてくださいね!
↓『学校であった怖い話』ゲームプレイ日記の他記事はこちらにまとめています!↓

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