こんにちは、ズボラゲーマーの のたり と申します。
スーパーファミコン(SFC)用ソフト『学校であった怖い話』ゲームプレイ日記の第十九回目です。
前回は、風間望(五話目『結局できない風間』)と荒井昭二(六話目『この中のひとり』、そして七人目『荒井の意思』のあらすじと感想をまとめました。
今回は、福沢玲子(三話目『人々の怨念』)と岩下明美(四話目・隠しシナリオ『真説・桜の木の伝説』のざっくりあらすじと感想をまとめます。
※容赦なくネタバレします。NGな方はここでブラウザバックしてください。
なお、プレイにはスクショ撮影・セーブがしやすい【レトロフリーク】を使用しております。
各話あらすじと感想
ここからは、以下のエピソードのあらすじと感想まとめです。
ちなみに、福沢玲子の『旧校舎の裏に立つ桜の木の呪い』には別バージョンがありまして(話の筋が違う)、そちらのあらすじは以下の記事でまとめています。
それでは、以降はネタバレOKな方のみお進みください。
【三人目】福沢玲子『人々の怨念』

あらすじ
福沢玲子は、朗らかな口調で「花は好き? あの桜はどう?」と主人公・坂上に問いかける。
花や木には精霊が宿り、人間の言葉や感情まで分かるのだと語り、自分が育てているサボテンの話から「粗末に扱えば植物も怒る」と話題を広げていく。
やがて話題は、旧校舎裏に一本だけ残された巨大な桜へ移る。
樹齢は千年以上とも言われ、第二運動場の建設計画では、この桜を切ろうとした作業員が鉄骨事故で1人死亡、掘り起こそうとした作業員2人も原因不明の高熱で亡くなり、工事自体が中止になったという。
“お祓いも移植も拒むいわくつきの木”であると玲子は断言する。
さらに戦時中、その周囲が死体置き場になっていたという噂を語る。
助からない負傷者も穴に投げ込まれ、腐乱臭と怨嗟のうめき声が絶えなかったこと、その肉体と怨念をこの桜が長年「養分」として吸収してきたのだと説明する。
幹の節が苦しむ人の顔に見えるのは、その名残だという。
玲子は坂上を実際に桜の前まで連れ出し、「もっと近くで見て」「匂いを嗅いで」「幹に触れて」と執拗に迫り、「本当は見えたでしょう? 見えないなら霊感が弱いだけ」と笑って話を終える。

今回のシナリオも、玲子ちゃんの無邪気さと語る内容のギャップが印象的でした。
最初は、サボテンの育て方や木の気持ちといった、ちょっと笑ってしまうような話題をゆったり語ってくれるのに、気づけば「怨念を吸った桜」の怪談へと自然にすり替わっている。
この“気づけば足元が変わっている”ような転調の仕方が絶妙なんですよね。
しかも、このエピソードには直接的な怪異が一切出てきません。
語られるのは、工事事故の噂や、戦争中の死体置き場だったという伝承だけ。
それなのに妙にリアルで、じわじわと背筋が冷えてくる。

極めつけは、玲子が坂上を桜の木に近づけようとするシーン。

何かが起きるわけではないのに“そこに立たされている感じ”が強く、聞いているこちらまで息が詰まります。
派手なホラー演出はないのに、語りだけでゾッとする。
玲子ちゃんの無邪気さすら怖さの一部として働いているのが見事でした。
【四人目・隠しシナリオ】岩下明美『真説・桜の木の呪い』

あらすじ
福沢玲子が語った桜の木の話は偽りだと豪語し、3年生の岩下明美は「本当の桜の話」を語り始める。
校庭の桜は“首吊り桜”と呼ばれ、昔から毎年ひとりずつ人間を生贄として奪ってきた木だという。
死体は桜の根が取り込み、跡形も残らず、家族や友人の記憶からも存在そのものが消えるらしい。
明美は、この桜に取り憑いた怨念の正体は戦争でも武将でもなく、かつて実在した高校生カップルの悲劇だと語る。
伝説の口づけを実行しようとした2人は、偶然ほかのカップルの“儀式”を目撃してしまい、その翌日、男女2人が桜の下で心中しているのが発見された。
それをきっかけに桜は変質し、生贄を欲しがるようになったという。
さらに明美は、自分がその霊たちの夢を見たと告白する。
桜の怨霊は彼女を次の生贄に選んだが、「代わりの人間を連れて来て、決められた約束を守らせれば身代わりにできる」と告げたらしい。
明美は今日、まさにその“儀式”を試していたのだが、語り終えた後に言う。
「残念だけど、あなたは約束を守ったわね。……また別の身代わりを探さなきゃいけないわ。」
語り手の岩下明美は、前話で玲子が語った桜の怪談を「作り話」と断じ、自分だけが真実を知っていると主張します。
この“語り手の優位性”を確立してから物語を始める手法は、聞き手の信用を奪って話へ引きずり込む典型的な怪談話法。

……とはいえ、一年生の後輩にかなり辛辣なことを言うので、そっちの方が普通に怖いんですが(笑)。
語りは最初こそ恋愛伝説のようですが、心中事件へと転じ、最終的には「桜が毎年生贄を選ぶ」という怪異に接続していきます。


そしてラスト、明美は「自分は桜の生贄に選ばれた」と告白し、助かるには“身代わりを連れてきて、話を最後まで聞かせる”必要があると語ります。

つまり坂上(=プレイヤー)は、知らぬ間に儀式に参加させられていたわけです。
今回は「1→2→1→1→1→1→3→2」と選択肢を選んだ結果、無事次の話へ進行。
選択肢次第では本当に“生贄ルート”に落ちる可能性もありそうですね(真偽は不明。ノベルゲームなのにそうとは思えない緊張感…!)。
まとめ:『学校であった怖い話』のボリュームのすごさに今更気づいた

今回は、岩下明美の隠しシナリオ『真説・桜の木の呪い』を見るために、福沢玲子の『人々の怨念』をプレイしました。
同じ福沢玲子の三話でも、最初にプレイしたときは美しい悲恋のような話だったのに、今回は凄惨で残酷な内容に変わっていて、その振れ幅にびっくり!
というか、こんなの、攻略情報なしで分岐に気づけるはずがないですよね……攻略本欲しい(ちょっとプレミア価格…)。
現在は七周目に突入していますが、すでに他の語り手でも、選ぶ選択肢によって話の筋が大きく変わることが分かってきて、SFCのノベルゲームとは思えないボリュームに軽く震えています。
どれだけエピソードを回収できているのか確認できる“トロフィー機能”みたいなものがあれば最高なんですが(笑)。
さておき、次はついに「荒井くん vs 風間先輩」が描かれる隠しシナリオのあらすじ&解説をまとめていきたいと思います。
なお、この記事ではネタバレ満載ですが、実際に自分でプレイするとSFCならではの音や映像演出によって、また違った怖さや余韻を味わえるはずです。
まだ『学校であった怖い話』SFC版を遊んだことがない方は、ぜひご自身でも体験してみてください!

PS版(完全版)も魅力的ですが、SFC版ならではのザラついた映像やレトロなBGMには、平成ならではの独特な空気感が漂っていて格別です。
現行機しかお持ちでないという方には、本作のプロデューサーでありシナリオも手がけた飯島多紀哉さんの近作、『アパシー 鳴神学園七不思議+危険な転校生』が遊びやすくておすすめです。
他にも、SwitchやSteamでプレイできる『送り犬』という作品もあります。
ぜひチェックしてみてくださいね!
↓『学校であった怖い話』ゲームプレイ日記の他記事はこちらにまとめています!↓

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